『古事記』・『日本書紀』の冒頭「国生み神話」に登場する、国生みの大業を果たされた伊弉諾尊(イザナギ)と伊弉冉尊(イザナミ)の二柱をお祀りする神社です。『古事記』・『日本書紀』に記載がある中では全国で最も古い神社で、淡路国一宮として古代から全国の掌敬を集めています。延喜式名神大社、三代実録神格一品、旧官幣大社で兵庫県唯一の「神官号」を宣下された神社です。
『古事記』・『日本書紀』には、国生みに始まるすべての神功を果たされたイザナギ尊が、御子神である天照大御神に国家統治の大業を委譲され、最初にお生みになられた淡路島の多賀の地に、「幽宮」を構えて余生を過ごされたと記されています。その御住居跡に御神陵が営まれ、そこに最古の神社として創始されたのが、伊弉諾神宮の起源です。地元では「いっくさん」と別称され日之少宮、淡路島神、多賀明神、津名明神と崇められています。
「陽の道しるべ」
伊弉諾神宮を中心にして、まるで計算されたように、東西南北には縁ある神社が配置されていることは実に不思議です。神宮の境内には、太陽の運行図として、このことを紹介する「陽の道しるべ」というモニュメントが建っています。神宮の真東には飛鳥藤原京、さらに伊勢皇大神宮(内宮)が位置しており、春分秋分には同緯度にある伊勢から太陽が昇り、対馬の海神(わたつみ)神社に沈みます。そして夏至には信濃の諏訪大社から出雲大社、冬至には熊野那智大社から高千穂神社へと太陽が運行します。
「夫婦楠」
境内には、イザナギ・イザナミの二神が宿る御神木として、夫婦円満、安産子授、縁結びなどの御利益があると信仰されている樹齢約900年の夫婦大楠があります。
「祭り」
年間を通して古式ゆかしいお祭りがとりおこなれ、今日も古くより伝わる淡路神楽の囃子が聴こえてきます。
1月 1日 歳旦祭 3日 元始祭 15日 粥占祭
2月 節分日 節分厄除祭
3月 17日 祈年祭
4月 20日~22日 春の例祭 29日 昭和祭
5月 下旬 播種祭
6月 下旬 御田植祭
7月 陰暦日 夏祭(献灯祭)
9月 中秋日 観月祭
10月 17日 神宮神當奉祝祭
11月 3日 明治祭 15日 七五三祝祭 23日 新嘗祭
12月 13日 事始め 23日 天長祭 31日 除夜祭
他、立春・立夏・立秋・立冬の日 湯立神楽祭
あわじ花へんろ第53番札所
クスノキ(通年)
サクラ(4月上旬)