建武3年(1336年)、楠木正成と新田義貞に敗れて京を追われた足利尊氏が、九州に落ちのびる途中に立ち寄った寺。沖で風待ちのため船を泊め、山上の燈火を見て、その場所を尋ねたところ、妙勝寺と説明された尊氏は、『妙勝』とは軍勝利を得るべき前兆であると喜んで、太刀一振を寄進し必勝を祈願。その甲斐あってか、やがて尊氏は室町幕府を開き天下人になったと伝えられていて、寺には尊氏直筆の書状も残っています。尊氏が船から灯りを見つけたと言われるこの寺は山の中腹にあり、昔のたたずまいを静かに残している。境内から東浦の素晴しい眺めを望むことができます。
妙勝寺はこのような伝説が伝えられている尊氏の隠し寺で、歴代淡路藩主が信仰してやまなかった寺でもあります。「妙に勝つ寺」にあやかって、現在は受験生等が参拝に訪れる寺としても有名です。
蓬莱池泉式庭園
境内には江戸初期の 蓬莱 ( ほうらい ) 池泉式 ( ちせんしき ) 庭園 ( ていえん ) があり、県指定文化財になっています。淡路島内で最も古いものの一つで、規模の大きさと石組みの豪華さは淡路随一といわれています。樹齢 700 年と推定される大楠も、妙勝寺の誇りです。
淡路花へんろの 8 番札所
ソメイヨシノ(4月上旬)
八重桜(4月中旬)
ソメイヨシノ(4月上旬)
八重桜(4月中旬)
春に庭園を眺めると、サクラと歴史の重みある庭園が、まるで大きな障壁画のようであり、その魅力が静かに心を動かします。